心理学トピック

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最後通牒ゲーム

最後通牒ゲームは、最終通告ゲームともいわれている、経済ゲームの中で最も有名なゲームの1つです。

最後通牒ゲームの本来の目的は、経済学の想定する合理的で利己的な個人がどこまで利他的な要素を持っているかを計測することです。また、合理的に行動する場合にどうしたらよいかの観察にもなります。
利益を得られる状況であっても不公平を嫌がることで知られています。

ルール

・2人のプレイヤーを提案者と応答者に分ける。
・提案者は両者の報酬取り分を応答者に提示する。
・応答者は提示された報酬取り分案を受け入れるか拒否するか選べる。
・受け入れる場合: 両者が提案された報酬取り分をそれぞれ受け取れる。
・拒否した場合: 両者はどちらも報酬は受け取れない。
・提案者と応答者は互いに面識がない。ゲーム中もゲームが終了後も。

ゲーム理論における最適解

合理的に考えれば、応答者はいかなる場合も受け入れ、提案者は自分の報酬取り分を最大値にすることが最良の選択になります。

例えば、「1000円を分ける」(金額はいくらでも可)と言った場合、提案者は自分999円、応答者が1円という取り分を提示する提案です。

もし、1000円をAさんとBさんの2人で分けるとして、例えば、300円と提案すれば、Aさんは700円、Bさんは300円となります。BさんはAさんの提案をうけてもよいし、拒否する自由も持っています。
あなたがAさんだったらいくら提案をしますか?
また、あなたがBさんだったたらいくら提案されたら拒否しますか?
ただし、拒否した場合、1000円は没収されて、AさんもBさんも1円も受け取ることはできません。

期待される合理的な行動は、Aさんが1円以上いくらの金額を提示しても。Bさんは受諾するというものです。

しかし、様々な最後通牒ゲームの実験では、ある金額以下だとBさんが拒否することが報告され、人間は必ずしも合理的に行動する存在ではないということが観察されています。